Claude for Excelは、Excelのなかから直接Claudeを使えるアドインです。ブックの内容を質問したり、数式のつながりを保ったまま前提を変えたり、エラーの原因を調べたりできます。PowerPointとWord向けにも同様のアドインが提供されています。この記事では、公式ドキュメントで確認できた対応プラン、導入手順、できること、未対応の機能、データの扱いを整理します。記載は2026年9月30日時点の確認内容です。
目次
- 対応アプリと対応プラン
- Excelでできること
- インストール手順
- 組織への展開
- 未対応の機能とバージョン
- データの扱い
- 安全に使うための注意点
- Claude Codeとの使い分け
- よくある質問
1. 対応アプリと対応プラン
公式の製品ページでは、ExcelとPowerPointとWordが一般提供、Outlookがベータ版とされています。Excelのドキュメントでは、Pro、Max、Team、Enterpriseの各プランで一般提供と記載されています。製品ページには、すべての有料プランで使えるとあります。
アプリ間でコンテキストを引き継げるため、たとえば「Excelで作ったモデルをPowerPointの資料にする」といった作業を一つの会話で進められます。
2. Excelでできること
公式ドキュメントに挙がっている機能は次のとおりです。
- ブックについて質問し、セル単位の根拠つきで回答を受け取る
- 数式のつながりを保ったまま、前提の値を変える
- エラーの原因を特定して解消する
- 新しいモデルを作る、既存のテンプレートに値を入れる
- 複数タブにまたがるブックを扱う
- 並べ替え、フィルタ、ピボットテーブルの編集、条件付き書式、入力規則のドロップダウン作成
- S&P Global、LSEG、Daloopaなどのコネクタで外部の情報を取り込む
サイドバーの設定にある「Instructions」に、桁区切りや見出しの太字といった書式の好みを書いておくと、Excelでのすべての会話に反映されます。この指示はPowerPointやWordとは別に管理されます。
3. インストール手順
個人で入れる手順は、公式ドキュメントでは次の3ステップです。
- Microsoft AppSourceの「Claude for Microsoft 365」のページを開く
- 「Get it now」でインストールする
- Excelでアドインを有効にし、Claudeアカウントでサインインする
動作するExcelは、Web版、Microsoft 365契約のWindows版(ビルド16.0.13127.20296以降)、Mac版(16.46以降、ビルド21011600以降)です。
4. 組織への展開
管理者は、Microsoft 365管理センターから組織に配布できます。ドキュメントの手順は次のとおりです。
- 設定の「組織設定」で、ユーザー所有のアプリとサービスにある「Officeストアへのアクセスを許可する」をオンにする
- 「統合アプリ」の「アドイン」を開く
- AppSourceで「Claude for Microsoft 365」を探す
- 組織全体、または特定のユーザーやグループに割り当てる
Officeストアへのアクセスを無効にしている環境では、カスタムマニフェスト(XMLファイル)で配布する方法が案内されています。Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AI、Azure AI Foundry、LLMゲートウェイ経由でAIの通信をまとめている組織は、個人のClaudeアカウントなしで配布できます。
5. 未対応の機能とバージョン
未対応の機能は、データテーブル、マクロ、VBAの操作です。
動かないExcelの環境は、Excel 2016と2019の永続ライセンス・ボリュームライセンス、iPad版、Android版、SharedRuntimeの要件を満たさない古いMicrosoft 365のビルドです。
6. データの扱い
公式ドキュメントの記載を要約します。
- 入力と出力は、受け取りまたは生成から30日以内にバックエンドから削除される(例外あり)
- チャット履歴はブラウザ内のIndexedDBにローカル保存され、Anthropicのサーバーには保存されず、端末間の同期もない
- 組織で設定したカスタムのデータ保持設定は引き継がれず、アクティビティはEnterpriseの監査ログに含まれない
- Compliance APIを有効にしたEnterpriseでは、セッションが対象に含まれる(公開ベータ)
社内の情報管理規程との整合は、導入前に情報システム担当と確認してください。
7. 安全に使うための注意点
公式ドキュメントは、次の用途には推奨しないとしています。
- 人の確認を経ない最終的なクライアント向け成果物
- 検証なしの監査上重要な計算
- 適切な管理のない、機微・規制対象のデータを含むモデル
また、外部から入手したファイルには隠れた指示が埋め込まれている場合があり、情報の持ち出しやデータの改変を誘導されるおそれがあるとして、信頼できるスプレッドシートでのみ使うよう警告しています。危険な操作を提案する場面では確認が求められるので、内容をよく読んでから承認してください。
実務では、次の運用が現実的です。
- 元のブックのコピーで作業を始める
- 変更したい範囲と内容を具体的に指示する
- 確定前に必ず変更点を見直す
8. Claude Codeとの使い分け
Excelを開いたまま、その場で質問や修正をしたい場合は、このアドインが向いています。ファイルをまとめて読み込んで集計したり、繰り返し作業を自動化したりする場合は、Claude Codeが向きます。後者はExcelユーザーがClaude Codeで効率化できる10のことで具体例を紹介しています。資料づくりはClaude Codeでプレゼン資料を作る方法も参考になります。
9. よくある質問
Q: 無料プランで使えますか。 A. 公式ドキュメントに挙がっているのはPro、Max、Team、Enterpriseです。無料プランは記載がありません。
Q: 自分のPCのExcelが対応しているか確認するには。 A. Web版か、Microsoft 365契約のWindows・Macの新しいビルドであれば対象です。Excel 2016・2019の永続ライセンスは動きません。
Q: マクロやVBAを書き換えられますか。 A. マクロとVBAの操作は未対応と記載されています。
まとめ
- Excel、PowerPoint、Wordのアドインは一般提供、Outlookはベータ版
- Excelでは、質問、前提の変更、エラー調査、モデル作成などができる
- マクロ・VBA・データテーブルは未対応。Excel 2016・2019の永続ライセンスやiPad・Androidでは動かない
- 外部ファイルの隠れた指示による誤動作のリスクがあり、信頼できるファイルでのみ使い、変更は人が確認する
本記事は2026年9月30日時点でAnthropic公式ドキュメントの記載を確認して作成しています。対応バージョンや機能は変わるため、導入前に最新のドキュメントをご確認ください。

