SIerの提案書・RFP回答が Claude Code で激変した——営業とPMの文書負担を9割削減する方法
「RFPの締切まで3日しかない。100ページを超える回答書を、今から作る」
大手SIerの営業担当は、クライアントから届いたRFP(提案依頼書)の厚みを見て、一瞬だけ目をつぶった。質問は150項目を超える。各項目に自社の技術力・体制・実績・価格の考え方を記述しなければならない。技術的な内容はSEが担当するが、ビジネス面の表現・差別化ポイントの言語化・全体のトーンの統一は自分の仕事だ。
SIer・システム開発会社の提案活動は、提案書の質が受注を左右する。しかし「質の高い提案書を書く」には時間がかかり、その時間が確保できないという構造的な矛盾がある。技術力はある。実績もある。でも「それを言葉にする」作業が、受注の機会を逃す原因になることがある。
Claude Code を使うと、「わかっていることを提案書にする」速度が大きく変わる。
1. SIerの提案書・RFP回答が持つ独自の難しさ
SIerの提案書・RFP回答には、他の業界の提案書とは異なる特徴がある。
技術とビジネスの橋渡しが必要。クライアントは技術の専門家ではない。「なぜこのアーキテクチャが最適か」「なぜこのスケジュールが現実的か」を、経営者・IT部門・現場担当者それぞれが理解できる言葉で説明する必要がある。
RFPは質問項目が多く、整合性が求められる。100項目を超えるRFPでは、各項目の回答が矛盾なく、かつ全体として自社の強みが伝わる構成になっている必要がある。一つひとつ丁寧に書くと時間がかかり、急いで書くと整合性が崩れる。
案件ごとにカスタマイズが必要。「製造業の生産管理システム」と「小売業のECプラットフォーム」では、同じSIerの提案でも言葉・実績の引用・強調すべきポイントが変わる。テンプレートをそのまま使うと、クライアントに「使い回し」が見えてしまう。
締切が短い。RFPの回答期限は1〜2週間のことが多く、複数の案件が重なると提案書作成だけで時間が尽きる。
2. RFP回答の各項目を素早く仕上げる
RFP項目への回答文の作成
RFPの各質問項目に対して、「こういう内容で答えたい」という方向性をClaudeに渡すと、回答文のたたき台が出てくる。
Claude Code への入力例:
以下のRFP質問項目に対する回答文のたたき台を作成してください。
【案件情報】
- クライアント: 中堅製造業(従業員3,000名)
- プロジェクト: 基幹システムのクラウド移行(SAP on Azure)
- 自社の立場: 主幹ベンダーとして提案
【RFP質問項目 1】
「本プロジェクトにおける貴社の強みと、類似案件での実績を教えてください」
【回答の方向性(営業担当メモ)】
- 製造業向けSAP導入実績が5社ある(うち同規模2社)
- Azure移行のプロジェクト数が増えており、クラウドインフラの知見がある
- 業界特有の課題(生産管理・在庫管理の複雑さ)に精通していることを強調したい
- 同規模案件では平均18ヶ月で本稼働を達成している
【回答文として】
- 具体的な実績・数値を含める
- クライアントが「この会社なら安心」と感じられる内容
- 300〜400字程度
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【RFP質問項目 2】
「プロジェクト管理体制と、リスク管理の方針を説明してください」
【回答の方向性】
- PMO体制を自社内に持っており、クライアント側の窓口を一本化できる
- 週次ステアリングコミッティ・隔週のデリバリーチェックの体制
- リスク管理はリスクログを使い、影響度×発生確率でTier分類
- 過去の案件で大きなトラブルなく納品してきた実績がある
各質問への回答を、RFP回答書として適切なフォーマットで作成してください。
3. 提案書の構成と差別化ポイントの言語化
提案書の全体構成の設計
RFPへの回答とは別に、提案書全体の「物語の流れ」を作る作業がある。「なぜ自社が選ばれるべきか」が読んだ人に伝わる構成になっているかどうかが、受注率を左右する。
Claude Code への入力例:
以下の案件情報をもとに、提案書の全体構成(目次案)と、各章で伝えるべきメッセージを作成してください。
【案件概要】
- クライアント: 地方銀行(預金残高1兆円規模)
- プロジェクト: 勘定系システムの刷新(既存システムから次世代システムへの移行)
- 競合: 大手SIer2社と競合
【自社の強み・差別化ポイント】
- 地方銀行での勘定系システム導入実績が3行あり(他の大手SIerより多い)
- 移行期間中の「並行稼働」のノウハウが豊富(ダウンタイムゼロの実績あり)
- 地方銀行特有の業務フロー(農業系融資・地域密着型サービス)に精通したSEがいる
【クライアントの最大の懸念】
- 大規模移行での失敗リスク(過去に他行での失敗事例を知っている)
- 移行後のシステム安定稼働への不安
提案書の目次案と、各章で伝えるべきキーメッセージをリストアップしてください。
### 競合との差別化を明確にする
競合他社との差別化ポイントを効果的に表現する方法も、Claude Code に相談できる。
**Claude Code への入力例:**
以下の状況で、提案書の中で自社の差別化ポイントを効果的に表現するための文章を作成してください。
【自社と競合の比較(担当者の把握)】
- 自社: 中堅SIer・エンジニア300名・特定業界に深い専門性あり
- 競合A: 大手SIer・エンジニア3,000名・総合力があるが業界専門性は薄い
- 競合B: 新興SIer・Agile開発に強い・大規模案件の実績が少ない
【今回の案件の性質】
- 医療機関向けの電子カルテシステムの刷新
- 要件が複雑・医療規制への対応が必要
- 規模は中程度(エンジニア10〜15名・18ヶ月)
【自社の差別化ポイント(担当者メモ)】
- 医療機関向けシステムの実績が7件(競合Aより多い)
- 医療系規制(医療機器ソフトウェア・個人情報保護・セキュリティ基準)への対応ノウハウ
- 大手より意思決定が速い・クライアントとの距離が近い
「規模で勝てないが、専門性と機動力で圧倒する」という方向で、提案書の差別化説明文を書いてください。
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## 4. エグゼクティブサマリーの作成
### 経営層向けサマリー
提案書の最初に置くエグゼクティブサマリーは、CIO・CFO・社長が読む「1〜2ページの要約」だ。技術的な詳細ではなく「なぜこのプロジェクトに投資すべきか」「なぜ自社を選ぶべきか」を、ビジネスの言葉で伝える。
**Claude Code への入力例:**
以下の提案書の主要内容をもとに、経営層向けのエグゼクティブサマリーを作成してください。
【提案の概要】
- プロジェクト: 製造業向けサプライチェーン管理システムの構築
- 目的: 在庫の最適化・発注リードタイムの短縮・サプライヤーとのデータ連携
- 提案スコープ: 要件定義から本稼働まで(約24ヶ月)
- 概算費用: 5億円(うちシステム構築4億円・保守運用1億円/年)
【投資効果(試算)】
- 在庫削減効果: 年間約1.5億円(過剰在庫の圧縮)
- 発注業務の効率化: 担当者工数を年間3,000時間削減
- 機会損失の削減: 欠品による販売機会損失を50%削減(年間約1億円相当)
- 投資回収期間: 3〜4年
【リスクへの対応】
- 段階的な導入(フェーズ1: 在庫管理、フェーズ2: サプライヤー連携)でリスクを分散
- 既存システムとの並行稼働期間を設定
経営者が「なぜ今・なぜこの額を投資するか」を理解できるサマリーとして、A4 1ページ程度で作成してください。
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## 5. 体制図・スケジュールの説明文
### プロジェクト体制の説明文
提案書には体制図(組織図)とともに、各役割・担当者の説明文が必要になる。Claude Code に「体制の骨格と各役割の担当内容」を渡すと、説明文のたたき台が出てくる。
**Claude Code への入力例:**
以下のプロジェクト体制について、提案書に掲載する体制説明文を作成してください。
【体制の概要】
- プロジェクトマネージャー(PM): 1名(弊社のシニアPM・10年以上の経験)
- 業務コンサルタント: 2名(クライアントの業務要件のヒアリング・要件定義を担当)
- テクニカルリード: 1名(アーキテクチャ設計・技術判断の最終責任)
- 開発エンジニア: 8名(フロントエンド3名・バックエンド3名・インフラ2名)
- QA/テスト: 2名
- クライアント側の窓口: プロジェクトオーナー1名・ITリード1名
【体制の特徴・強調したいポイント】
- PMは製造業向けシステムの実績が5件ある
- 業務コンサルタントは同業種の業務フロー経験者
- エンジニアはフルスタック対応可能で、チーム内でリソースを融通できる
提案書の体制説明として、各役割の価値と担当範囲が伝わる文章を作成してください。
### スケジュール計画の説明文
ガントチャートやマイルストーン表とともに掲載するスケジュールの説明文も、Claude Code で作れる。
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## 6. 実績紹介・ケーススタディの文章化
### 類似案件の実績紹介文
提案書に含める「類似案件の実績」の紹介文は、具体性と秘密保持のバランスが必要だ。「実際の案件の内容」を渡して「秘密保持に配慮しながら実績として紹介できる文章を作ってください」と指示すると、適切なレベルで具体性を持たせた実績紹介文が出てくる。
**Claude Code への入力例:**
以下の実際の案件内容をもとに、提案書に掲載する実績紹介文を作成してください。
【実際の案件情報(秘密保持のため業種・規模のみ記載可)】
- 業種: 流通業(大手小売)
- プロジェクト: 基幹システムの刷新(オンプレからクラウドへの移行)
- 期間: 24ヶ月
- 結果: 定時・定品質で本稼働達成・移行後のシステム安定稼働
【紹介文に含めてほしい要素】
- プロジェクトの規模・難易度感(具体的な社名・金額は出せない)
- どんな課題があって、どう解決したか
- 自社が果たした役割と成果
秘密保持に配慮しながら、具体性を持たせた実績紹介文として作成してください。
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## 7. 価格説明・見積根拠の説明文
### 見積もり根拠の説明
提案書に添付する見積もりの根拠説明文は、「なぜこの金額なのか」をクライアントが理解できるように整理する必要がある。
**Claude Code への入力例:**
以下の見積もり内容について、クライアント向けの価格説明文を作成してください。
【見積もりの内訳(担当者メモ)】
- 要件定義フェーズ: 900万円(3ヶ月・コンサルタント2名+PM)
- 設計・開発フェーズ: 3,600万円(12ヶ月・エンジニア8名体制)
- テスト・UAT支援: 600万円(3ヶ月・QA2名+PM)
- 移行・本稼働支援: 900万円(3ヶ月)
- 合計: 6,000万円(18ヶ月)
【クライアントの懸念(把握している情報)】
- 「競合より高いのでは」という懸念がある
- ただし「安かろう悪かろう」は避けたいという意向もある
【価格の根拠として伝えたいこと】
- 業界専門性のある人材で構成しているため、手戻りが少ない
- 類似案件での実績で、スコープ内での追加費用発生なし
- 保守フェーズまで含めたトータルコストは競合と大差ない
「高い理由ではなく、この価格で得られる価値」を伝える説明文として作成してください。
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## 8. 提案後のフォロー文書
### 追加質問への回答文
プレゼン後にクライアントから追加質問が来た場合の回答文書も、Claude Code で素早く作れる。「質問の内容と回答の方向性」を渡して「ビジネスメールとして整えてください」と指示すると、適切なトーンの回答書が出てくる。
### 最終交渉・条件確認のメール
受注の最終段階での条件確認・合意事項のまとめメールも、Claude Code で下書きを作ることで、抜け漏れなく、かつ関係性を壊さない言葉で作れる。
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## 9. claudecode道場で学ぶ
claudecode道場は、非エンジニアの経営者・担当者が Claude Code を業務で使えるようになるための研修プラットフォームだ。malna株式会社が運営しており、プログラミングの知識は一切不要。全19章が無料で公開されている。
SIer・システム開発会社では、エンジニアだけでなく営業・PMが Claude Code を使いこなすことで、受注率と業務効率の両方が改善する。claudecode道場では、「技術者でない担当者がどう Claude Code を使うか」を体系的に学べる。
[claudecode道場を見る](https://claudedojo.com)
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## 10. まとめ
提案書・RFP回答は、SIerの受注活動の核心だ。「内容はわかっているのに文書にする時間がない」「締切に追われて質が下がる」——この構造的な矛盾を、Claude Code は「たたき台を素早く作る」ことで解消する。
差別化ポイントの言語化・エグゼクティブサマリーの作成・体制説明・価格根拠の説明——提案書のどのパートにも、Claude Code は活用できる。営業担当とPMが提案書作成に使う時間を半分以下に削減できれば、その時間を「クライアントと話す・案件を深く理解する・より良い提案を考える」という本質に使えるようになる。
malnaでは、SIer・システム開発会社の Claude Code 導入支援を行っている。「提案書の効率化から始めたい」「営業チーム全体に展開したい」という場合は、まずご相談いただきたい。
[Claude Code 導入支援について malna に相談する](https://malna.co.jp/service-ai-agent/)
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※本記事に含まれる効果の数値は、特定の業務条件を前提とした参考値です。実際の効果は業務内容・環境・習熟度によって異なります。



