IT会社・SIerで Claude Code を使ったら、提案書と要件定義書の作成が半分以下になった
「今週の金曜、RFPの回答締切だったよね」
プロジェクトマネージャーが振り向いた先で、営業担当が硬い顔をしていた。100ページを超えるRFP(提案依頼書)への回答。競合との差別化ポイントをどう表現するか、価格とスコープのバランスをどう書くか——内容はわかっているのに、文書にまとめる作業が最後まで追いつかない。
SIer・IT会社の仕事の本質は、クライアントの課題をシステムで解決することだ。その解決策を設計し、実装する力は十分ある。ところが「提案書を書く」「要件定義書をまとめる」「プロジェクト報告書を作る」という文書業務が、技術者とPMの時間を大量に消費している。
Claude Code を使うと、「わかっていることを文書にする」コストが大きく下がる。
1. IT会社の文書業務が抱える構造的な問題
IT会社・SIerの文書業務には、独特の構造的な重さがある。
技術的な正確さとビジネス言語の橋渡し。エンジニアが持っている技術的な知識をクライアントに伝わるビジネス言語で書く——この翻訳作業が、技術者にとって最も時間のかかるパートのひとつだ。
量と型の多さ。提案書・要件定義書・基本設計書・テスト仕様書・プロジェクト計画書・WBS・議事録——プロジェクトひとつで発生する文書の種類が多く、それぞれに書き方の作法がある。
ゼロから書く場面が多い。提案書は案件ごとに固有の内容が必要で、テンプレートをそのまま使えることは少ない。毎回「この案件に合わせた言葉」を考えながら書く必要がある。
2. 提案書・RFP回答の効率化
提案書のたたき台作成
RFPへの回答・新規提案書は、「何を書くか」はわかっていても、「どう書くか」で時間がかかる。Claude Code に「クライアントの課題」「自社の提案内容」「差別化ポイント」を渡すと、提案書のたたき台が出てくる。
Claude Code への入力例:
以下の情報をもとに、クライアント企業への提案書のたたき台を作成してください。
【クライアントの課題(ヒアリング内容)】
- 基幹システムが20年前に導入したオンプレ型で、保守コストが年々上昇
- 複数部門で使っているが、データ連携が手動のため、月次集計に2日かかる
- ERPへの刷新を検討しているが、移行リスクと費用が不透明で判断できない
- システム部門は3名で、社内リソースが少ない
【自社の提案内容】
- クラウドERP(SAP S/4HANA Cloud)の導入支援
- 現状業務のフィット・ギャップ分析からスタートし、段階的に移行
- 移行後の運用サポートも含めたワンストップ対応
【差別化ポイント】
- 同規模・同業種の導入実績が5社あり、業界固有の課題に熟知
- 月次集計の自動化により、担当者の工数を月20時間削減した実績あり
- 移行リスクを最小化するため、並行稼働期間を3ヶ月設ける設計
【構成】
1. 現状の課題と問題の本質
2. 提案の方向性
3. 具体的な提案内容(スコープ・スケジュール概要)
4. 自社の強みと実績
5. 期待できる効果
各セクション300〜400字程度でたたき台を作成してください。
このたたき台をもとに、担当者が数字・固有情報・技術的な詳細を肉付けしていく。ゼロから書くより格段に速い。
エグゼクティブサマリーの作成
経営層向けに提案書を見せる際の「エグゼクティブサマリー(1〜2ページ)」も、Claude Code に長い提案書の本文を渡して「1ページで経営者向けにまとめてください」と指示すると、要点を絞った要約が出てくる。
3. 要件定義・設計ドキュメントの整備
ヒアリング後の要件整理
クライアントとのヒアリングで得た情報を要件定義書に落とし込む作業は、PMとSEの時間を大きく取る。ヒアリングメモをそのまま Claude Code に渡して「機能要件・非機能要件の形式に整理してください」と指示すると、要件一覧の下書きが出てくる。
Claude Code への入力例:
以下のヒアリングメモをもとに、システム要件定義の素材を整理してください。
【ヒアリングメモ(担当者の箇条書き)】
- 在庫管理システムの刷新
- 今は倉庫ごとに別々のExcelで管理しており、本社への報告は担当者がまとめて送っている
- リアルタイムで全倉庫の在庫が見たい(スマホからも確認できればなおよい)
- 入出庫の作業はハンディターミナルで記録しているが、システムとの連携がなく手入力で転記している
- 棚卸し作業を毎月末にやっているが、半日かかっている
- 使う人は倉庫担当者(ITリテラシーは高くない)・本社管理者・経営者
【整理してほしいこと】
1. 機能要件の候補一覧
2. 非機能要件の観点(性能・セキュリティ・可用性)
3. 確認が必要な未明確事項
まだ要件の詳細が決まっていないため、「要件の候補」と「確認事項」を区別して整理してください。
技術仕様書・設計書のたたき台
詳細設計・テスト仕様書のように、書くべき内容は決まっているが記述に時間がかかる文書も、骨格を Claude Code に作らせて担当者が技術的な詳細を埋めるという使い方が効果的だ。
4. プロジェクト文書の効率化
議事録の整理・構造化
ミーティングの録音・メモを Claude Code に渡して「議事録の形式に整理してください」と指示すると、「決定事項・アクションアイテム・課題」を整理した議事録の下書きが出てくる。
Claude Code への入力例:
以下の会議メモをもとに、プロジェクト会議の議事録を作成してください。
【会議概要】
- 日時: 4月22日 14:00〜15:30
- 参加者: クライアント3名・当社PM・SE各1名
- 議題: 要件定義フェーズの進捗確認と課題共有
【担当者の箇条書きメモ】
- 在庫管理機能の要件は概ね固まった。ただし棚卸し機能の頻度についてまだ検討中
- ハンディターミナルとの連携方式について、クライアント側のIT担当と別途確認が必要
- スケジュールは現状維持。要件定義フェーズ終了は5月末を目標
- 次回は5月8日・同じメンバーで基本設計のレビュー
- クライアントからの宿題: 棚卸し頻度の社内決定と連携するシステムの一覧提出
決定事項・アクションアイテム(担当・期限付き)・課題の3セクションに整理してください。
月次・週次プロジェクト報告書
プロジェクト状況の定期レポートも、進捗データとコメントを箇条書きで渡せば、報告書形式に整えてくれる。
5. 提案活動の効率化:コールドアウトリーチ・展示会後フォロー
展示会・セミナー後のフォローメール
IT展示会・セミナー後の名刺フォローは、担当者の記憶が新しいうちに送りたいが、一件一件書く時間がない。Claude Code に「名刺情報・会話の内容・提案できるサービス」を渡して、個別化されたフォローメールの下書きを一気に作れる。
既存クライアントへのアップセル提案文
既存クライアントへの追加提案も、「今のクライアントの状況・課題・提案できる内容」を渡せば、関係性を踏まえた提案文のたたき台が出てくる。
6. 非エンジニアのPM・営業への展開
Claude Code の活用は、エンジニアだけでなく、PM・営業・コンサルタントにも広がる。
プロジェクト管理側のPMは「ステークホルダーへの報告・会議のファシリテーション・顧客とのコミュニケーション」に文書負荷が集中しやすい。営業は「提案書・見積書の説明文・フォローメール」を大量に書く。
IT会社全体でClaude Code を活用する体制を作ることで、全職種の生産性が上がる。
7. claudecode道場で学ぶ
claudecode道場は、非エンジニアの経営者・担当者が Claude Code を業務で使えるようになるための研修プラットフォームだ。malna株式会社が運営しており、プログラミングの知識は一切不要。全19章が無料で公開されている。
IT会社・SIerにとって、「Claude Code を使いこなせるチーム」を作ることは、自社のAI活用力をクライアントへの訴求力として使えるという付加価値もある。claudecode道場で社内全体のリテラシーを底上げできる。
8. まとめ
提案書・RFP回答・要件定義書・議事録・プロジェクト報告書——IT会社・SIerの文書業務は、技術力があっても文書化のコストが高い構造を持っている。Claude Code は「わかっていることを文書に変換する」コストを下げ、エンジニア・PM・営業が本来注力すべき仕事に使える時間を増やす。
malnaでは、IT会社・SIerの Claude Code 導入支援を行っている。「提案書の効率化から始めたい」「全社的な活用体制を作りたい」という場合は、まずご相談いただきたい。
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※本記事に含まれる効果の数値は、特定の業務条件を前提とした参考値です。実際の効果は業務内容・環境・習熟度によって異なります。



