商社・卸売業で Claude Code を使ったら、見積書と市場レポートの作成時間が8割減った
「月次の市場レポート、また今月末ですよね」
専門商社の営業担当は、カレンダーの通知を見てため息をついた。担当する原材料の市況・供給動向・主要産地の情報を月次でまとめて社内共有するレポートが毎月課される。情報収集は得意だが、まとめる作業に毎月丸一日かかる。しかもその半分は「うまく文章にする」という悩みに費やされている。
商社・卸売業の仕事の本質は「情報を取り、判断し、つなぐ」ことだ。市場の動きを誰より早く把握し、サプライヤーと顧客の間に入って価値を生む。その核心部分に集中するための時間が、文書作成で削られている。
Claude Code を使うと、「情報を持っている」ことと「文章になっている」ことの間の距離が一気に縮まる。
1. 商社・卸売業の文章業務の特徴
商社・卸売業の文書には、他の業種とは異なる特徴がある。
多言語対応が求められる場面が多い。海外サプライヤーへのメール・英文契約書の確認・海外展示会向けの資料——日本語と英語(場合によっては中国語・スペイン語等)が混在する業務環境が珍しくない。
市場情報の「言語化」が価値を生む。バイヤーとして現場で得た感覚・産地での見聞・業界ネットワークからの情報——これらは担当者の頭の中にあるが、文章になっていない。文章にしてこそ、社内共有・顧客提案・記録として機能する。
取引先によって書き方が変わる。大手メーカーへの提案書と、中小の小売店へのDMでは、同じ商品の説明でも書き方がまったく異なる。この切り替えのコストが積み重なると、大きな負担になる。
2. 市場レポート・調査報告の効率化
月次市場レポートの作成
収集した情報を Claude Code に箇条書きで渡して、レポート形式に整理させる。
Claude Code への入力例:
以下の情報をもとに、社内向け月次市場レポートを作成してください。
【今月の主なトピック(担当者メモ)】
- 主要産地(東南アジア)で雨季の影響が続いており、収穫量が前年比15%減の見通し
- 中国の需要が第2四半期から回復傾向。輸入量が前四半期比で20%増
- 輸送コスト(海上運賃)が3月から上昇トレンド。主要航路で+12%
- 国内の大手需要家は在庫積み増しに動いており、問い合わせが増えている
- 先物市場では3ヶ月後の価格が現在より+8%で推移
【レポートの構成】
1. 市場概況(全体感を3〜4文で)
2. 供給サイドの動向
3. 需要サイドの動向
4. 価格動向と見通し
5. 留意点・リスク要因
各セクション200〜300字程度、社内ビジネス文書のトーンで作成してください。
箇条書きのメモが、整理されたレポートの下書きに変わる。担当者が確認・修正して、数字や固有名詞を入れ込めば完成する。
産地レポート・バイヤーレポートの作成
海外出張・産地視察後のレポートも、Claude Code で効率化できる。現地で取ったメモ・写真のキャプション・感じた肌感覚を箇条書きにして渡すだけで、「現地から持ち帰った情報」を報告書形式に整理してくれる。
3. 海外取引先とのメールコミュニケーション
英文メール・交渉文の作成
海外サプライヤーへの発注・価格交渉・クレーム対応・納期確認のメールは、英語で書かなければならない場合が多い。
Claude Code に「言いたいこと」を日本語で箇条書きで渡して「英文ビジネスメールに変換してください」と指示すると、適切なトーンの英文メールが出てくる。
Claude Code への入力例:
以下の内容を、海外サプライヤー向けの英文ビジネスメールに変換してください。
【伝えたいこと】
- 先月送った発注書(PO番号: [担当者が後記入])について確認したい
- 出荷予定日が当初の予定より2週間遅れるという連絡があったが、1週間以内に納品できないか交渉したい
- 理由: 国内顧客との納期コミットメントがある
- もし1週間短縮が難しい場合、航空便での対応が可能かコストを確認したい
- 先方との関係は良好なので、強い言葉は使わず協力をお願いするトーンで
件名も含めて、ビジネスメールとして完成した形で作成してください。
英語が母語でない担当者でも、ネイティブレベルのビジネス英語での交渉文が出てくる。日本語でのコミュニケーションコストが、英語では何倍にもなっていた部分が解消できる。
多言語対応(中国語・スペイン語等)
英語以外の言語圏との取引がある場合も、Claude Code は対応できる。日本語で伝えたいことを書いて「中国語のビジネスメールに」と指示する使い方が最も確実だ。
4. 取引先向け提案書・商品資料の作成
顧客別提案書のカスタマイズ
同じ商品を、顧客によって異なる切り口で提案する——この「カスタマイズ」の手間が、営業担当者の時間を大きく取る。Claude Code に「商品の基本情報」と「この顧客の課題・ニーズ」を渡して「この顧客向けの提案書を作ってください」と指示すると、顧客の文脈に沿った提案文が出てくる。
Claude Code への入力例:
以下の情報をもとに、取引先A社向けの商品提案書を作成してください。
【提案商品の基本情報】
- 商品: 食品用包装フィルム(環境配慮型・バイオマス素材)
- 特徴: CO2排出量を従来品比30%削減、耐久性は同等、価格は10〜15%高い
【A社の状況】
- 中堅食品メーカー
- 今年からサステナビリティレポートを開始しており、脱炭素への対応を対外発信する予定
- コスト管理は厳しいが、ESG対応には前向きな経営方針
- 担当者は購買部長(決裁権あり)
【提案の方向性】
- 価格差のデメリットよりも、サステナビリティレポートへの活用メリットを強調
- 具体的な数値(CO2削減量)を示して説得力を出す
- トライアル導入(一部商品への採用)から始める提案も含める
A4 1〜2ページ相当の提案書として構成してください。
新規取引先向けの会社紹介・商品カタログ文章
新規開拓時の会社紹介資料・商品カタログの説明文も、Claude Code で作れる。「当社の強み・主要取引先の業種・提案できる商品カテゴリー」を渡せば、初回面談で使えるレベルの会社紹介文が出てくる。
5. 社内文書:稟議・報告・会議資料
仕入れ・販売条件変更の稟議書
サプライヤーとの価格改定交渉・新規取引先との条件設定・物流コストの見直し——これらは社内稟議が必要になる場面が多い。
Claude Code に「変更の内容・背景・メリット・リスク」を箇条書きで渡して「稟議書の形式にしてください」と指示すると、稟議書のたたき台が出てくる。
業績・売上の報告資料
月次・四半期の業績報告資料も、数字と状況説明のメモを渡せば、構造化されたレポートに仕上げてくれる。「この数字の背景にある市場動向をコメントとして加えてほしい」という使い方も有効だ。
6. claudecode道場で学ぶ
claudecode道場は、非エンジニアの経営者・担当者が Claude Code を業務で使えるようになるための研修プラットフォームだ。malna株式会社が運営しており、プログラミングの知識は一切不要。全19章が無料で公開されている。
商社・卸売業のように「情報量は多いが、それを文章にする時間が足りない」という業種では、Claude Code への指示設計が重要になる。claudecode道場では、「どう渡せば使える出力が来るか」を体系的に学べる。
7. まとめ
市場レポートの作成、英文交渉メール、顧客別提案書のカスタマイズ、社内稟議書——商社・卸売業の文書業務は「情報はある、でも文章にする時間がない」という構造的な課題を抱えている。Claude Code は「情報を渡したら文章になる」という変換の部分を引き受け、担当者が判断・交渉・関係構築に集中できる環境を作る。
malnaでは、商社・卸売業をはじめとする企業の Claude Code 導入支援を行っている。「英文メールの効率化から始めたい」「市場レポートの作成を楽にしたい」という場合は、まずご相談いただきたい。
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※本記事に含まれる効果の数値は、特定の業務条件を前提とした参考値です。実際の効果は業務内容・環境・習熟度によって異なります。


