Claude Codeを使い始めて「毎回同じ説明をしている」「AIが会社のルールを知らない」という壁に当たったとき、解決策がCLAUDE.mdです。この設定ファイルに会社のルール・文体のガイドライン・よく使う情報を書いておくだけで、Claude Codeは「この会社専用のAIアシスタント」として動くようになります。プログラミングは一切不要です。
目次
- CLAUDE.mdとは何か
- CLAUDE.mdとProjectsの違い
- 書くべき内容——何を記載すれば効果が高いか
- CLAUDE.mdの基本構造と書き方
- 実際のテンプレート(業種別)
- チームで共有する方法
- よくある失敗と改善のポイント
- まとめ
1. CLAUDE.mdとは何か
CLAUDE.mdは、Claude Code(CLIターミナル版)が特定のフォルダで動作する際に自動で読み込む設定ファイルです。Markdownという形式のテキストファイルで、プログラミングの知識は不要です。メモ帳やテキストエディタで書けます。
仕組みをシンプルに説明します。Claude CodeをPCのあるフォルダで起動すると、そのフォルダ(またはユーザーのホームディレクトリ)にCLAUDE.mdというファイルがあれば、Claude Codeは最初にそれを読みます。そこに書かれた情報をベースにして、以降のすべての作業を行います。
「AIに一度だけ説明して、それ以降は何も説明しなくてよい状態を作る」——それがCLAUDE.mdの役割です。
2. CLAUDE.mdとProjectsの違い
似たような機能として前の記事でProjectsを紹介しました。違いを整理します。
| 比較項目 | CLAUDE.md | Projects |
|---|---|---|
| 利用する版 | CLI版(ターミナル) | ウェブ版(claude.ai) |
| 設定の場所 | テキストファイル(.md) | クラウド上の設定画面 |
| チーム共有の方法 | Gitやファイル共有 | Claudeの画面内で招待 |
| 適用範囲 | 特定のフォルダ単位 | プロジェクト単位 |
| 使いやすさ | テキスト編集が必要 | UIで設定できる |
CLI版のClaude Codeを主に使う場合はCLAUDE.md、ウェブ版のClaude.aiを主に使う場合はProjectsが中心になります。どちらを使うかは利用するインターフェースによって決まります。
3. 書くべき内容——何を記載すれば効果が高いか
CLAUDE.mdに書くべき情報を「効果が高い順」に整理します。
最も効果が高い情報(必ず書く)
-
会社・組織の基本情報: 会社名・業種・主要サービス・ターゲット顧客。これがないとAIは毎回「どんな会社か」から推測することになります。
-
アウトプットの文体・スタイル: 「です・ます体を使う」「箇条書きを積極的に使う」「結論を最初に述べる」など。スタイルの統一はビジネス文書の品質に直結します。
-
禁止事項・注意事項: 「競合他社の製品名を記載しない」「価格を断言しない(〜円程度、と書く)」「特定の表現を使わない」など。
効果が高い情報(できれば書く)
-
よく使う専門用語・社内用語: 業界特有の略語・社内でよく使う略称・製品名の正式表記。
-
よく行う業務のフォーマット: 「議事録は『日時・参加者・決定事項・宿題』の4項目で書く」など定型フォーマット。
-
作業の優先順位・判断基準: 「迷ったときはシンプルな方を選ぶ」「お客様への文書は丁寧さを最優先にする」など。
補足として有効な情報(余裕があれば書く)
-
セキュリティに関する注意(「個人情報が含まれるファイルを外部サービスに送らない」など)
-
よく参照するドキュメントの場所・参照ルール
4. CLAUDE.mdの基本構造と書き方
実際のファイル構造を示します。CLAUDE.mdはMarkdown形式のテキストファイルです。#が見出し、-が箇条書きを表します。
# 会社・プロジェクトの基本情報
会社概要
- 会社名: 〇〇株式会社
- 業種: Webマーケティング支援
- 主要サービス: 中小企業向けのSEO・SNS運用代行
- 主な顧客: 食品・飲料メーカー、小売業
- 会社の所在地: 東京都渋谷区(所在地を書くかどうかは任意)
よく使う専門用語
- KPI: 重要業績評価指標(Key Performance Indicator)
- CVR: コンバージョン率(Conversion Rate)
- インプレッション: 広告・投稿が表示された回数
アウトプットのルール
文体
- です・ます体を使う(社外向け文書は特に丁寧に)
- 箇条書きを積極的に活用する
- 専門用語には初出時に括弧で説明を添える
構成
- 結論を最初に述べ、詳細を後に説明する(PREP法)
- 長文は見出しで区切る
- 表を使えるときは表を使う(比較・一覧の場合)
禁止事項
- 競合他社の会社名・サービス名を具体的に記載しない
- 断定的な効果の予言をしない(「必ず〇%改善されます」など)
- 絵文字を使わない
よく作る文書のフォーマット
議事録フォーマット
日時・場所・参加者・アジェンダ・決定事項・次回アクションの順で書く
月次レポートフォーマット
今月の実績(数値)→ 先月比較→ 良かった点→ 課題→ 来月の施策の順で書く
セキュリティ・注意事項
- 顧客名・個人情報を含む内容は外部サービスに送らない
- APIキーやパスワードをファイルに記載しない
このような構造で書くのが基本です。長さは短くても問題ありません。重要なのは「AIが参照してすぐ使える」形で書かれていることです。
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## 5. 実際のテンプレート(業種別)
業種別のCLAUDE.mdテンプレートを紹介します。自社の状況に合わせて修正してください。
**テンプレート1: 営業・コンサルティング会社向け**
```markdown
# 会社基本情報
- 会社名: 〇〇コンサルティング株式会社
- 業種: 経営コンサルティング
- 主なサービス: 中小企業の事業再生・組織改革支援
- 顧客規模: 従業員20〜200名の中小企業
# 私の役割
- 職種: コンサルタント(シニア)
- 主な業務: 顧客企業の課題分析・提案書作成・議事録管理
# 文体ルール
- 社外文書: 丁寧・簡潔・結論先出し
- 社内文書: 簡潔・箇条書き優先
- 数値は必ず単位をつける(〇万円、〇%、〇名)
# よく使うフォーマット
- 提案書: 課題定義→現状分析→解決策→期待効果→実施スケジュールの順
- 議事録: 日時・参加者・決定事項(箇条書き)・宿題(担当者と期限付き)
テンプレート2: 人事・採用担当者向け
# 会社基本情報
- 会社名: 〇〇株式会社
- 業種: IT・SaaS
- 採用対象: エンジニア・営業・マーケティング
# 私の役割
- 職種: 採用担当(HR)
- 主な業務: 求人票作成・面接調整・候補者対応・内定フォロー
# 文体ルール
- 候補者へのメール: 親しみやすく・明るいトーンだが礼儀正しく
- 社内レポート: 数値重視・箇条書きで簡潔に
- 求人票: 職務内容を具体的に・業界用語を使いすぎない
# よく使う表現・フォーマット
- メール冒頭: 「平素よりお世話になっております。〇〇株式会社採用担当の〇〇です。」
- 面接日程調整: 3つの候補日時を提示
- 不採用通知: 「貴重なお時間をいただきありがとうございました」を冒頭に
# 禁止事項
- 候補者に具体的な年収を確約する表現を使わない
- 個人情報(住所・生年月日など)をメール本文に含めない
テンプレート3: マーケティング担当者向け
# 会社基本情報
- 会社名: 〇〇株式会社
- 業種: 消費財メーカー
- 主力商品: 〇〇シリーズ(健康食品)
- ターゲット顧客: 30〜50代の健康意識が高い女性
# 私の役割
- 職種: マーケティング担当
- 主な業務: SNS運用・メルマガ作成・広告コピー・月次レポート
# 文体ルール
- SNS投稿: 親しみやすく・短く・アクションを促す
- メルマガ: 読者目線・読みやすい行間・1通1メッセージ
- 広告コピー: ベネフィット(顧客への恩恵)を前面に
# ブランドボイス
- 明るく・前向き・専門的すぎない
- 「あなたの〇〇を応援する」姿勢
- 健康効果は誇張しない・薬機法に配慮する
# 禁止表現
- 「確実に痩せる」「必ず効果が出る」などの断定表現
- 比較広告(「〇〇より〇〇」)
6. チームで共有する方法
CLAUDE.mdをチームで統一する方法を紹介します。
方法1: ファイルをそのまま共有する
最もシンプルな方法です。作成したCLAUDE.mdをSlackやメールで共有し、各メンバーが自分のPCに配置します。
配置場所の基本は2つです。
- ホームディレクトリ(
~/.claude/CLAUDE.md): すべての作業に適用 - プロジェクトフォルダ内(
プロジェクト名/CLAUDE.md): そのフォルダでの作業にのみ適用
方法2: GitHubやNotionで管理する
チームでコードやドキュメントをGitHubで管理している場合、CLAUDE.mdをそのリポジトリに含めることで、チーム全員が自動的に最新の設定を取得できます。
Notionで管理する場合は、CLAUDE.mdの内容をNotionページとして管理し、変更があれば全員に通知・更新してもらう運用にします。
方法3: 共通版と個人版を分ける
チームで統一すべき内容(会社情報・禁止事項・フォーマット)は共通のCLAUDE.mdに書き、個人のスタイルやよく使う個人設定は別ファイルに書いて取り込む設計にすると柔軟に運用できます。
7. よくある失敗と改善のポイント
CLAUDE.mdを作り始めた初期によくある失敗を紹介します。
失敗1: 書きすぎて読まれない
最初から完璧を目指して1,000字を超えるCLAUDE.mdを書くと、AIが重要な部分と重要でない部分を判別しにくくなります。最初は200〜400字程度のシンプルなものから始め、必要に応じて追加するのが正解です。
失敗2: 抽象的なことしか書かない
「丁寧な文章を書く」という指示より「社外向けメールには必ず時候の挨拶を入れる」という具体的な指示の方が効果的です。AIは具体的な指示に従うのが得意です。
失敗3: 一度作ったら更新しない
会社の方針変更・組織変更・新サービスの追加があっても、CLAUDE.mdを更新しないケースが多く見られます。少なくとも月1回、内容が最新かを確認する習慣をつけてください。
失敗4: 全員に同じものを使わせる
業務内容が違うメンバーに同じCLAUDE.mdを使わせると、自分の業務に関係ない情報だらけになります。部署別・役割別にカスタマイズすることで、精度が上がります。
8. まとめ
CLAUDE.mdは、Claude Codeをあなたの会社専用AIアシスタントに変えるための「最初の一手」です。一度作ってしまえば、それ以降は毎回説明する手間がなくなり、AIのアウトプットの品質と一貫性が上がります。
始め方は簡単です。メモ帳を開いて、会社名・業種・文体のルール3行を書いて、それをCLAUDE.mdというファイル名で保存する。これだけでClaude Codeは明日から少し違う動き方をします。
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