Claude Codeに満足できない人の共通点があります。指示の設計に問題があるのです。
「使ってみたけど、思ったより使えない」という声をよく聞きます。でも、ほとんどの場合、問題はツールにありません。同じ Claude Code でも、指示の渡し方を変えるだけで、出てくるアウトプットの質は大きく変わります。
この記事では、出力品質を上げるための10のテクニックを紹介します。それぞれ「なぜそれが効くのか」という背景と、具体的な例を添えています。読んだその日から試せる内容にまとめましたので、ぜひ手元で試しながら読んでみてください。
なぜ「同じ指示」でも結果が変わるのか
Claude Codeは、渡された情報をもとに「最もそれらしい回答」を生成します。言い換えると、情報が少なければ「平均的な回答」しか出ません。読み手が誰か、目的は何か、どんなトーンが求められているか——これらが揃うほど、出てくる文章の精度は上がります。
「プロに仕事を依頼する」感覚と似ています。「資料を作って」と一言だけ伝えるより、「来月の取締役会向けに、今期の営業成果をグラフ付きでまとめた3ページのスライドを作って」と伝えたほうが、期待に近いものが返ってくる。それと同じです。
テクニック1:役割を与える
Claude Codeに「あなたは〇〇です」と役割を伝えることで、その立場からの視点・知識・語り口で答えてくれます。
役割なし
新商品のマーケティング戦略を考えてください。
役割あり
あなたはBtoB SaaSのマーケティング責任者として、
以下の新商品のマーケティング戦略を考えてください。
役割を与えると、その分野の専門的な観点や業界の常識が反映されます。「マーケターとして」「法務担当として」「採用担当として」など、文脈に合わせて設定してみてください。
役割の精度を上げると、さらに効果が出ます。「法律の専門家として」より「中小企業向けの労務問題を専門とする弁護士として」という方が、より具体的な角度の回答が返ってきます。
テクニック2:出力形式を指定する
何も指定しなければ、Claude Codeは適当と思われる形式を自分で選びます。それが自分の用途と合わない場合、毎回「書き直し」が発生します。
最初から形式を指定するほうが効率的です。
形式の指定例
以下の内容を整理してください。
出力形式:箇条書き(項目ごとに一行)
文字数:全体で300字以内
見出しはつけない
(内容をここに記載)
指定できる形式の例は以下の通りです。
- 箇条書き / 番号付きリスト
- 表(比較したい場合に有効)
- 文章(読み物として使う場合)
- 字数制限(SNS投稿、スライド用など)
- 見出しの有無
- コードブロックの使用可否
形式の指定は、完成品をそのまま使えるかどうかに直結します。「後で整形する」という手間を省くためにも、最初に明示する習慣をつけると時間の節約になります。
テクニック3:読み手・対象を指定する
文章の品質は、「誰に向けて書くか」で決まります。同じ内容でも、読み手が違えば使う言葉も、説明の深さも、強調すべき点も変わります。
読み手なし
AIについての説明を書いてください。
読み手あり
AIについての説明を書いてください。
読み手:40代の中小企業経営者で、IT知識はあまりない方
目的:AI導入を前向きに考えてもらうための説明
専門用語は使わず、身近な例で説明してください
「30代の経理担当者向け」「大学生が読むことを前提に」「プログラミング経験のない営業担当者に説明するように」など、具体的に設定するほど出力の精度が上がります。
テクニック4:トーンを指定する
ビジネス文書であっても、「堅さ」には幅があります。社内Slackに送るのか、取引先への正式メールなのか、採用候補者へのカジュアルなDMなのかによって、求められるトーンは異なります。
トーン指定の例
以下の内容でメールを書いてください。
トーン:丁寧だが距離が近い(同じ会社の別部署の先輩くらいの感覚)
避けたい表現:過度な敬語、ビジネス敬語の定型文
(内容をここに記載)
「カジュアルに」「フォーマルに」だけでは曖昧なことがあります。「同僚に話しかける感覚で」「初対面のクライアントへのような丁寧さで」のように、具体的な関係性を例示すると、より意図に近いものが出てきます。
テクニック5:悪い例を示して除外する
「こういう表現は使わないでほしい」という要望は、「こうしてほしい」と同じくらい効果があります。
悪い例の除外指定
採用ページの「会社の魅力」を書いてください。
以下のような表現は避けてください:
・「アットホームな職場です」
・「風通しがいい環境」
・「チャレンジできる」(抽象的なまま)
具体的なエピソードや数字を使って書いてください
これが特に効くのは「AI的な文章」や「ありきたりな表現」を避けたいときです。「よくある表現は使わないで」だけでなく、具体的な禁止ワードを並べると精度が上がります。
テクニック6:段階的に指示する
「一気に完成品を出してもらおう」と思うと、指示が複雑になり、出力がずれることがあります。大きなアウトプットが必要なときほど、ステップを分けて進めるほうが結果の精度が上がります。
段階的な進め方の例
ステップ1:
提案書の構成案を作ってください。見出しと各セクションの概要だけ。
(背景をここに記載)
ステップ2(構成を確認してから):
先ほどの構成の「課題の整理」セクションを書いてください。
ステップ3:
先ほどの「課題の整理」を踏まえて、「解決策の提案」セクションを書いてください。
大きなタスクを一度に渡すと、中盤や末尾でブレが出ることがあります。「構成 → 各セクション → 全体の見直し」というフローにするだけで、完成品の質が上がりやすくなります。
テクニック7:前回の出力をフィードバックして改善させる
Claude Codeは会話の流れを覚えています。一度出力してもらった後に、「ここをこう直してほしい」と伝えると、修正してくれます。
フィードバックの例
先ほどの文章について、以下の点を修正してください。
・「非常に」「大変」などの強調表現を減らす
・最後の段落をもう少し短くする
・「お役立てください」という表現を削除する
それ以外は変えないでください
「全部書き直して」より「ここだけ直して」のほうが意図が伝わりやすいです。修正の指示は具体的に、変えたくない部分は「それ以外は変えないでください」と明示するのがコツです。
何度かやり取りを重ねることで、最初の出力からは想像できないくらい使える文章に仕上がることもあります。
テクニック8:複数バリエーションを求める
一つの方向性に縛られずに、複数の選択肢を出してもらうと、使える素材が増えます。
バリエーション依頼の例
以下のサービスのキャッチコピーを3パターン作ってください。
パターンA:課題感・痛みを訴求する角度
パターンB:理想の状態・ベネフィットを訴求する角度
パターンC:競合との差別化を訴求する角度
各パターンの意図も一行で添えてください
選択肢があると、「これとこれを組み合わせたい」「このトーンはAで、内容はBの方向で」という発展的な指示もしやすくなります。迷っているときほど、まず複数出してもらうのがおすすめです。
テクニック9:制約を明示する
「〇〇は含めないで」という制約を渡すことで、不要な情報や望まない表現が入らなくなります。
制約指定の例
以下の内容でSNS投稿文を書いてください。
制約:
・絵文字を使わない
・ハッシュタグは3個まで
・宣伝口調にならない(「ぜひ〜」「お得な〜」は使わない)
・URLは本文には入れない(別途追加します)
制約は「やること」より「やらないこと」の指定として機能します。特に品質管理が厳しい文書や、外部向けのコンテンツには、必ず制約を添えるようにしています。
テクニック10:コンテキストを渡す
背景情報が多いほど、出力は的確になります。「相手のことを何も知らない人に依頼する」のではなく、「状況を知っている人に相談する」感覚です。
コンテキストの渡し方
以下の背景を踏まえた上で、対応策を提案してください。
【背景】
・私は中小企業でマーケティングを一人で担当している
・今期から広告費が半減し、限られた予算で成果を出す必要がある
・ターゲットはBtoBで、リード獲得が主なKPI(重要業績評価指標)
・過去に試して効果があったのはSEOとウェビナー施策
【相談内容】
来期のマーケティング施策をどう優先すべきか
背景を渡すことで、「一般的なマーケティング施策の羅列」ではなく「この状況に合った提案」が出てきます。
10のテクニックより大切なこと
テクニックを並べましたが、一番大切なのは「自分が何を伝えたいか、自分が明確になっていること」です。
指示が曖昧なのは、多くの場合、自分の中での整理ができていないことが原因です。「どんな文章が欲しいか」「誰に何を伝えたいか」が自分の中で決まっていれば、プロンプトに書くのは難しくありません。
逆に言えば、Claude Codeに「うまく指示できない」と感じるタイミングは、「自分がまだ整理できていない」サインでもあります。その場合は、先に「どんな状態になりたいか」を言語化することから始めると、指示も自然と書けるようになります。
体系的に身につけるには
10のテクニックを個別に使えるようになることと、「状況に応じてどれをどう組み合わせるか」を判断できることは、別の話です。
claudecode道場では、プロンプト設計の考え方を体系的に学べます。全19章(2026年4月時点)の構成で、プログラミング知識は不要です。非エンジニアのビジネスパーソンが「何となく使う」から「設計して使う」レベルへステップアップするための内容になっています。
「出力が微妙」「毎回書き直しが発生する」「もっとうまく使いたい」と感じているなら、基礎から見直してみてはいかがでしょうか。
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