広告代理店の提案書・レポート作成が Claude Code で変わった。クライアント向け資料の初稿が10分で出る
広告代理店のアカウントプランナーやコピーライターは、「本来やるべき仕事」より「資料を作る時間」のほうが長くなりやすい職種です。
クライアントへの提案書は1本作るのに半日。月次の実績レポートは数値の集計より「コメントを書く」時間のほうが長い。コピーの方向性を整理するクリエイティブブリーフは、要件を言語化するだけで時間がかかる。
こうした文章作成・言語化作業のほとんどは、「何を書くか」は決まっているのに「どう書くか」で詰まる構造を持っています。Claude Code はこの「どう書くか」を素早く出す用途に力を発揮します。
1. 広告代理店業務で Claude Code が使える場面
広告代理店・広告担当者の文書作成業務を整理すると、Claude Code の役割が見えてきます。
| 業務の種類 | Claude Code の役割 | 仕上げに必要なこと |
|---|---|---|
| クライアント提案書 | 構成案・本文の初稿 | 担当者がデータ・実績を反映 |
| 広告実績レポート | 数値の解釈・コメント文章化 | 担当者が文脈・判断を加筆 |
| クリエイティブブリーフ | ターゲット像・メッセージ整理 | ディレクター・コピーライターが確認 |
| 競合分析サマリー | 分析結果の文章化 | 担当者が事実確認・修正 |
| オリエンテーション議事録 | ヒアリング内容の整理 | 担当者が内容確認・送付 |
いずれも「初稿を出す」「言語化する」という作業の効率化が中心です。
2. クライアント提案書の初稿を素早く作る
提案書作成で最も時間がかかるのは「骨格を作る」「表現を整える」作業です。Claude Code を使うと、提案の方向性が決まった段階で初稿を素早く出せます。
使い方:新規クライアントへの Web 広告提案書
ECサイト(アパレル・レディース)を運営する中小企業への
Meta広告(Instagram広告)の初回提案書の本文を作成してください。
【クライアント情報】
- 業種:アパレルEC(30〜40代向けレディースファッション)
- 現状:SEOとメルマガのみで広告出稿経験なし
- 課題:認知拡大と新規顧客獲得
- 月次広告予算:50〜100万円を検討中
【提案の方向性】
- まずInstagram広告でターゲット層へのリーチを図る
- 初月はラーニング期間として設定・最適化を重視
- クリエイティブはA/Bテストで改善していく方針
【含めてほしい構成】
1. 現状の課題整理
2. Instagram広告を選ぶ理由
3. 提案プランの概要(ターゲット設定・配信面・予算配分)
4. 期待できる成果(KPIの設定方法)
5. 運用スケジュール(初月〜3ヶ月)
読み手:経営者・マーケティング担当者(広告未経験)
トーン:専門用語を使いながらも、初めての方が理解できる説明を添えること
この出力を PowerPoint の各スライドのテキストに使うか、Word 文書の本文として使うかによって、後の作業時間が大幅に変わります。
提案書の場面別活用例
| 提案の種類 | プロンプトに含めること |
|---|---|
| 新規媒体の提案 | 現行施策の課題・新媒体の特性・他社の成功事例 |
| 予算増額の提案 | 現在の実績・増額した場合のシミュレーション |
| クリエイティブ刷新の提案 | 現クリエイティブの課題・新方向性の根拠 |
| 年間プランの提案 | 季節変動・キャンペーンの設計・KPI管理方法 |
3. 広告実績レポートのコメント文章化
月次レポートで最も時間がかかるのは「数値の解釈コメントを書く」作業です。インプレッション・CPC・CVRなどの数値は集計できても、「それが意味すること」を言葉にするのは時間がかかります。
使い方:月次レポートのコメント生成
先月のMeta広告の実績をもとに、クライアントへの月次レポートのコメントを書いてほしい。
【先月の実績】
- 配信期間:4月1日〜4月30日
- 消化金額:980,000円(予算100万円)
- インプレッション:1,240,000回
- クリック数:18,600回
- CTR:1.50%
- CPC:52.7円
- コンバージョン数:186件(資料請求)
- CVR:1.0%
- CPA:5,269円
- 目標CPA:6,000円
【先月との比較】
- 先月CPA:6,800円(▲1,531円改善)
- 先月CV数:120件(+66件増)
【施策内容】
- 3月末にクリエイティブを動画素材に切り替え
- ターゲットオーディエンスをリターゲティング強化
【コメントの要件】
- 数値の「良い点」と「次月への課題」を分けて書く
- 施策と結果の因果関係を説明する
- 専門用語はあるが、担当者(マーケティング経験1〜2年)が読んでわかる内容に
- 600〜800字程度
このようにデータを整理してプロンプトに入力するだけで、コメントの原稿が出てきます。担当者がクライアントとの関係性・背景情報を加筆すれば完成です。
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## 4. クリエイティブブリーフの言語化
クリエイティブブリーフは、広告の方向性をクリエイティブチームに伝えるための文書です。「何を伝えるか」「誰に届けるか」「競合との差別化ポイント」などを整理する必要がありますが、この言語化に時間がかかります。
**使い方:新商品のクリエイティブブリーフ作成**
以下の商品情報をもとに、クリエイティブブリーフを作成してください。
【商品情報】
- 商品名:サプリメント「〇〇」(仮)
- 価格:月額3,980円(定期購入)
- 特徴:国産・無添加・女性ホルモンのバランスをサポートする成分配合
【ターゲット】
- 主ターゲット:35〜50歳の働く女性
- 悩み:更年期前後の体の変化・疲れやすさ・睡眠の質の低下
【配信媒体】
- Instagram(フィード・リール)
- Facebook(フィード)
【含めてほしい項目】
- ターゲット像(デモグラフィック・インサイト・一日の生活シーン)
- 伝えたい核心メッセージ(1文で)
- クリエイティブのトーン&マナー
- 避けるべき表現・NG事項
- 参考にすべき競合/ベンチマーク広告の特徴
- 成功の定義(KPIと評価基準)
ブリーフが言語化されることで、コピーライター・デザイナーへの共有がスムーズになり、方向性のずれによる手戻りが減ります。
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## 5. 競合分析サマリーの作成
競合他社の広告・施策を調査した後、「調査内容を整理してクライアントに説明できる文章にする」作業にClaude Code が使えます。
**使い方:競合調査結果のサマリー作成**
競合調査の結果をもとに、クライアント向けの「競合分析サマリー」を作成してください。
【自社クライアント】
- 業種:転職支援サービス(IT・エンジニア特化)
【調査した競合3社の特徴】
- 競合A:実績数(累計転職成功5万人)を前面に出す。安心感訴求
- 競合B:「平均年収UP額」の数値を強調。収入改善訴求
- 競合C:エージェントとの面談品質を強調。手厚いサポート訴求
【自社の強み(クライアントの主張)】
- ITエンジニアに特化した専門性
- 非公開求人の数が多い
- 企業との直接契約による高いマッチング精度
【含めてほしい内容】
- 競合の訴求ポイントの整理(表形式)
- 競合との差別化ポイント
- 自社が取るべき広告戦略の方向性(2〜3パターン)
- 推奨する訴求メッセージ案(3案)
クライアントに共有できる文章として、A4用紙2枚程度でまとめてください。
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## 6. オリエンテーション・ヒアリング後の議事録整理
新規クライアントのオリエンテーションや定例MTGでのヒアリング内容を、すぐに整理して共有するためにも Claude Code が使えます。
**使い方:MTGメモから議事録へ変換**
以下のMTGメモを、クライアントに送れる議事録に整理してください。
【MTGメモ(口語のメモ書き)】 ・先月のCPA高かったことについてはオーナーから指摘が入ってる ・クリエイティブが古いかも→撮影したい(6月に社内で予定) ・LPも気になってるけど今期予算ない ・来期(7月〜)から検索広告もやりたいと言ってた ・季節的に7〜8月は問い合わせ増える傾向あり→予算増やすかも ・競合のSNS広告が増えてきたと感じてるらしい
【議事録の要件】
- 決定事項・確認事項・宿題(次回までのアクション)の3つに分類
- 日本語として自然な書き言葉に整形
- アクション項目には担当者と期限の欄を設ける(内容は空欄でOK)
- クライアント担当者に送ってよい形式で
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## 7. Claude Code を使う際の注意点
**クライアント情報の取り扱い**
クライアントの売上・予算・経営情報などをプロンプトに入力する場合、機密保持の観点から注意が必要です。固有名詞は「クライアントA」「業種:アパレルEC」のような形で匿名化することを推奨します。
**数値・事実は必ず担当者が確認する**
Claude Code が出した「成果の解釈コメント」や「競合分析のまとめ」には、事実と異なる記述が含まれることがあります。クライアントに送る前に、数値と事実関係は必ず担当者が確認してください。
**提案内容の責任は担当者が持つ**
Claude Code はたたき台を出すツールです。提案書の内容・方向性が正しいかどうかの判断は、担当者が広告の専門知識をもって行ってください。
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## 8. よくある質問
**Q: 提案書の構成を Claude Code に考えさせても、毎回同じような内容になりませんか?**
A: プロンプトにクライアントの具体的な課題・現状・業種を詳しく入力するほど、出力の個別性が高まります。「他社との差別化ポイント」「クライアントが一番気にしていること」などを追加すると変化します。
**Q: コピー文案の作成にも使えますか?**
A: 活用できます。ブリーフ(ターゲット・訴求ポイント・トーン)を入力すれば、複数のコピー案を即座に出すことができます。「5案出して」「もっとシンプルに」などの追加指示で方向を調整できます。
**Q: クライアントに「AIで作りました」と言わなくていいですか?**
A: 提案書やレポートコメントの文章を書く際のツール選択は担当者の裁量の範囲です。ただし、最終的な内容の責任は担当者・会社が持つという点は変わりません。AIが出した内容をそのまま使わず、担当者の判断と加筆を経た上で使うことが前提です。
**Q: 英語の資料作成にも使えますか?**
A: 使えます。外資系クライアントへの英語提案書・実績レポートの英文化にも対応できます。「英語で作成してください」と指示を加えるか、日本語で作成した後に「以下を英語に翻訳してください」と続けるだけです。
**Q: 自社の過去提案書をClaude Code に学習させることはできますか?**
A: 一般的な使い方では「学習させる」ことはできませんが、過去の提案書の良い例をプロンプトに貼り付けて「このスタイルで書いてください」と指示することはできます。CLAUDE.md(カスタム指示ファイル)に自社のフォーマット・トーンを登録しておくと、毎回の指示が簡略化されます。
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