「Vibe Coding(バイブコーディング)」という言葉をSNSで見かけて、意味がよく分からないまま気になっている人は多いのではないでしょうか。プログラミング未経験でも自分でアプリやツールを作れる時代が来た、という文脈で語られることが多い言葉ですが、由来や実態を正しく理解しないまま使うと誤解を招きます。
この記事では、Vibe Codingの意味と語源を一次情報から確認したうえで、従来のプログラミングとの違い、Claude Codeとの関係、非エンジニアが始めるための第一歩、そして注意すべき点を整理します。
なお、本記事はclaudecode道場(malna株式会社が独自に提供する学習サービス)のブログ記事であり、Anthropic公式の製品ではありません。Vibe Coding自体もAnthropic社が提唱した概念ではなく、後述する別の人物の発言に由来する一般的な用語です。
目次
- Vibe Codingとは何か・言葉の由来
- 従来のプログラミングとの違い
- Vibe CodingとClaude Codeの関係
- 非エンジニアが始めるための第一歩
- 注意点:生成されたコードの検証の重要性
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. Vibe Codingとは何か・言葉の由来
Vibe Codingとは、開発者が構文や実装の細部を自分で書くのではなく、AIに対して「何を作りたいか」を自然言語で伝え、AIが生成したコードをそのまま受け入れながら開発を進めるスタイルを指す言葉です。
事実(出典あり):この言葉は、OpenAIの共同創業者でTesla社の元AIディレクターでもあるAndrej Karpathy氏が、2025年2月2日にX(旧Twitter)へ投稿したことがきっかけで広まりました。Karpathy氏は投稿の中で、自身の開発スタイルを「vibe coding」と呼び、「完全にvibe(雰囲気)に身を任せ、指数関数的な進歩を受け入れ、コードの存在すら忘れる」というような趣旨で説明しています(Andrej Karpathy氏の投稿(X))。
Karpathy氏はこの投稿で、Cursor Composer(AIコーディングツール)とClaude(Anthropicの生成AIモデル、投稿内ではSonnetと表記)を使い、音声入力ツールで直接AIに話しかけながらコードを生成させていたと述べています。AIの提案をコードを細かく読まずに受け入れていく、という体験がこの言葉の元になっています。
推論・補足:「vibe」はもともと音楽シーンなどで使われてきた「雰囲気」「ノリ」を意味する言葉です。Karpathy氏がこの単語を選んだ背景には、厳密な仕様書に基づく従来の開発とは対照的に、「なんとなくこうしたい」という直感的な要望をAIに伝えるだけで開発が進む体験を表現する意図があったと考えられますが、この意図そのものについてKarpathy氏本人の詳細な解説は確認できていません。
この投稿は大きな反響を呼び、複数の報道によれば、Collins Dictionary(英語辞典)が2025年の「Word of the Year(今年の言葉)」に「Vibe Coding」を選出しています(CNN報道、Collins Dictionary公式ブログ)。1年足らずで一般名詞として定着したことになります。
2. 従来のプログラミングとの違い
従来のプログラミングとVibe Codingの違いを、非エンジニアにも分かる形で整理します。
従来のプログラミング
- 人間がプログラミング言語(Python、JavaScriptなど)の文法を学び、一行一行コードを書く
- ロジックの設計、変数の命名、エラー処理まで人間が細部を決める
- コードを書くこと自体に専門知識と時間が必要
Vibe Coding
- 人間は「何を実現したいか」を日本語や英語などの自然言語でAIに伝える
- AI(Claude Codeなど)が要望を解釈し、実際のコードを生成する
- 人間はコードの中身を細かく読まず、動作結果(見た目や挙動)を確認しながら「もっとこうしたい」と対話的に修正を重ねる
この違いから分かるように、Vibe Codingは「プログラミング言語の習得」というハードルを大きく下げる可能性がある働き方です。ただし、これは可能性の話であり、あらゆる開発がVibe Codingだけで完結するとは限りません。複雑な業務システムや、セキュリティ・法令遵守が厳しく求められるシステムでは、専門知識を持つ人によるコードレビューや設計判断が引き続き重要になると考えられます。
3. Vibe CodingとClaude Codeの関係
Claude Codeは、Anthropic社が開発したAI開発支援ツールで、ターミナル(コマンドライン)上で自然言語による指示を受け取り、コードの生成・編集・実行までを行えるツールです(この説明はAnthropic公式サイトの一般的な紹介内容に基づく事実です)。
Vibe Codingという言葉自体はKarpathy氏が2025年2月の投稿で命名したものであり、Claude Codeのために作られた言葉ではありません。実際、Karpathy氏の最初の投稿でも、使用ツールとしてCursor Composerや当時のClaude(Sonnet)が挙げられています。
その上で、推論・見解として述べると、Claude Codeは以下の理由からVibe Codingとの相性が良いツールだと考えられます。
- 自然言語での指示に対して、ファイルの作成・編集・実行までを一連の流れで行える設計になっている
- 対話を重ねながら「動くもの」を素早く形にしていくスタイルに向いている
- ターミナルという開発者向けの環境で動くため、コードの変更履歴や実行結果を確認しながら進められる
ただし、これは筆者(malna)の見解であり、Claude CodeがVibe Coding専用ツールとして設計されたという公式な位置づけがあるわけではありません。Vibe Codingは特定のツールに縛られる言葉ではなく、AIを使った対話的な開発スタイル全般を指す一般名詞として理解するのが適切です。
4. 非エンジニアが始めるための第一歩
Vibe Codingに関心を持った非エンジニアが最初に取り組みやすいステップを整理します。
- 小さく作れるものから始める:いきなり業務システムを作ろうとせず、個人用の簡単なツール(例えば、日々の記録を整理する簡易ツールなど)から試すと失敗しても影響が小さく済みます。
- AIに「作りたいもの」を具体的に説明する:「誰が」「何のために」「どんな動きをしてほしいか」を言葉で説明する練習が、Vibe Codingの基本動作になります。
- 動かしてみて、フィードバックを重ねる:一度で完成形を目指すのではなく、動かして気になった点を伝え、AIに修正させるという対話を繰り返します。
- 専門用語は都度AIに聞く:分からない用語が出てきたら、その場でAIに「この言葉の意味を教えて」と聞くことができるのもAI開発支援ツールの利点です。
このステップ自体は一般的な学習手順としての推奨であり、特定の成果を保証するものではありません。
5. 注意点:生成されたコードの検証の重要性
Vibe Codingを実践するうえで、非エンジニアが特に注意すべき点を挙げます。
- AIが生成したコードが常に正しいとは限らない:AIは自然言語の指示から尤もらしいコードを生成しますが、意図と異なる動作をする場合や、想定外のバグを含む場合があります。
- 個人情報・機密情報を扱う場合は慎重に:顧客情報や社内の機密データを扱う仕組みをVibe Codingで作る場合、セキュリティ面の検証(外部からの不正アクセス対策、データの取り扱い方法など)を専門知識のある人に確認してもらうことが望ましいと考えられます。
- 公開・業務利用前のテストを省略しない:個人の学習目的で試す範囲を超えて、社内外に公開する・業務で使うといった段階に進む場合は、動作確認やレビューの工程を挟むことが重要です。
- 「動いたから完成」と判断しない:見た目上は動作していても、想定していない条件下でエラーが起きる可能性があります。特に重要な業務やお金・個人情報に関わる仕組みでは、慎重な検証が欠かせません。
これらは一般的なソフトウェア開発における注意点であり、Vibe Coding特有の話ではありませんが、コードを自分で書かずに進める分、検証を意識的に行う姿勢がより重要になると考えられます。
6. よくある質問(FAQ)
Q. Vibe Codingは誰が作った言葉ですか。
A. OpenAIの共同創業者でTesla社の元AIディレクターでもあるAndrej Karpathy氏が、2025年2月2日にX(旧Twitter)へ投稿したことが由来です。Anthropic社が作った言葉ではありません。
Q. Vibe CodingにはClaude Codeが必須ですか。
A. 必須ではありません。Vibe Codingは特定のツールに限定された言葉ではなく、AIを使った対話的な開発スタイル全般を指す一般名詞です。Claude Code以外にも、自然言語からコードを生成できるツールは複数存在します。
Q. プログラミングの知識がゼロでもVibe Codingはできますか。
A. 簡単なツールであれば、プログラミングの知識がなくても取り組める可能性はあります。ただし、生成されたコードの検証や、複雑な要件への対応には一定の学習や、専門知識を持つ人への確認が必要になる場面もあると考えられます。
Q. Vibe Codingで作ったものをそのまま業務やサービスに使ってよいですか。
A. 個人の学習目的の範囲を超えて業務やサービスとして使う場合は、セキュリティ・動作の安定性・法令遵守などの観点から、専門知識のある人によるレビューを経ることが望ましいと考えられます。
この記事のポイント
- Vibe Codingとは、AIに自然言語で要望を伝え、生成されたコードを受け入れながら開発を進めるスタイルを指す言葉
- 2025年2月2日、Andrej Karpathy氏のX投稿が語源とされ、2025年にはCollins Dictionaryの「Word of the Year」にも選ばれた
- 従来のプログラミングとの違いは、人間がコードの細部を書くか、AIとの対話で開発を進めるかという点にある
- Claude CodeはVibe Codingとの相性が良いと考えられるツールの一つだが、Vibe Coding専用に設計された言葉・ツールではない
- 非エンジニアが始める際は、小さく作って対話を重ねること、生成されたコードの検証を怠らないことが重要




